追憶
2021.10.29 09:56 writer yaguchi矢口です。
安曇野、今朝の写真。
北アルプスの峰は白く、麓の山々の木々も紅葉深まる。
晩秋の晴れた朝は平野部に決まって霧が立ち込める、そんないつもの景色。
この安曇野の景色を何年も前に見られていた方、家業の修行も兼ねて安曇野に住まい、そしてご実家に戻られていたお客様がいらした。
その後も遠く離れた地から、もう何年も何年も通信販売のやり取りをさせていただき、お互いの近況を交わす。
18年と言う年月、お店を営ませていただいておりますとお客様と言うご存在でありましても、それ以上の気持ちの積み重ねをさせていただき、近しき心の距離感を抱かせていただける尊い存在が幾人もおられる、とても幸せな事です。
このお方も間違いなくそんな私にとってとても尊き御仁のお一人。
そんな方が数年前、久しぶりにご来店くださり以前と変わらぬ笑顔を見せてくれた。
っと、同時に病の事をお話くださる。
「大丈夫、治ります、治します。また松本へきます。」
「楽しみに待ってるよ!美味しいご飯食べに行こう!!」私はその力強い言葉を受けてこう返した。
その後、お互い元気な文面でメールのやり取りをさせていただきながら、服談議を交わし、通信販売で沢山の私の仕事=服をお送りさせて頂きました。
服を着て出掛けられる、元気にやっているんだなぁ~っと、私は安堵しながら。
昨日一通のメールが届いていた、その方のパートナー様から。
「昨夜、旅立ちました。」「弱音など一切言わず、力強く頑張り抜きました。」
文末に、”あの人がいつも話してくれていた矢口さんにはこの事をお伝えしたくて”っとお言葉を添えられて。
メールを拝見し、時が止まる。
込み上げては身体を巡る感情・・・嗚呼。
お店での事、メールでの事、昨日は何年も続いたやり取りをずっと思い出し、様々な事に思い馳せる時間となりました。
沢山のこと、本当にありがとう。
やり抜くからね。
今日のブログ、私の寂しき感情を記さずともよいであろうに、この様な内容となり大変失礼致しました。
良き人との巡り合わせやお店を営む事、楽しさに繋がるファッションの力、これまでの時間とこれからの時間、様々大切にしたい生きる・働く・出会うに深く想いを寄せた彼の方との記憶・・・
お客様とのこと、当店の軌跡に残したく綴りました。
彼の方も何年も見ていたであろう安曇野の景色。
今朝もとても綺麗でございました。