JOURNAL

ゲルハルト・リヒター展

2022.09.18

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢口です。

 

先の展示会ラウンドの合間、東京国立近代美術館へ「ゲルハルト・リヒター展」を観に行く。

会期が10/2までと終わりが差し迫っているからか?平日水曜日だと言うのにかなりの人が押し寄せていた。

 

「ゲルハルト・リヒターは、ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠。リヒターは油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現や抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識する原理自体を表すことに、一貫して取り組み続けてきた。ものを見るとは単に視覚の問題ではなく、芸術の歴史、ホロコーストなどを経験した 20世紀ドイツの歴史、画家自身やその家族の記憶、そして私たちの固定概念や見ることへの欲望などが複雑に絡み合った営みであることを、彼が生み出した作品群を通じて、私たちは感じ取る。リヒターが90歳を迎えた2022年、画家が手元に置いてきた初期作から最新のドローイングまでを含む、ゲルハルト・リヒター財団の所蔵作品を中心とする約110点によって、一貫しつつも多岐にわたる60年の画業が紐解かれる企画展。」(公式サイトより転載)

 

まぁ、リヒターと言えばのアブストラクトから、人物や景色をリヒターのフィルターを通して表現した作品、それが110点もあるのだから見応え十分。

しかし、コロナ禍の2年半、人混みを避けに避けてきた私の現多くの方の距離感への慣れなき防御本能が、数人、十数人が一つの作品に群がって鑑賞する距離感を嫌がって、ろくすっぽ鑑賞に集中できなかっと言う結末だった。

 

ただ唯一、1Fメインフロアーではなく、4F展示の入り口に飾られていたフォト・ペインティング作品名「シルス・マリア」、ゲルハルト・リヒターの自宅のダイニング・ルーム隣部屋に飾られている2003年の作品はじっくり、ゆっくりと鑑賞できたのが幸い。

リヒター2003年のこの作品、当店開業2003年と同じ誕生であることと、スイスの緑深き山と青空、白い建物と白い雲の景色を気に入って、ポスターを額装してフィッティングルームに飾っている。

その作品を心して細かく鑑賞できたのが「ゲルハルト・リヒター展」の収穫でした。

 

※スイスの村シルス。スイスの東南部、グラウビュンデン州の上部エンガディン地方の村。シルヴァプラーナ湖とシルス湖に挟まれた村。シルス湖に近い「バゼリア」地区と、湖から1キロ近く南に入った「マリア地区(シルス・マリア)」の2つの地区に分かれる。サン・モリッツ(エンガディン地方の中心地で国際リゾート地、1928年・1948年と2度の冬季五輪開催地、セガンティーニ美術館所在地)からは、バスで20分ほどの距離だが、サン・モリッツとはうってかわり、静かで落ち着いた村。ニーチェやヘルマン・ヘッセ、トーマス・マンが愛した村。リヒターも好んで訪れている。