JOURNAL

White Mountaineering 2023-24AW

2023.01.30

 

 

 

 

 

 

 

矢口です。

 

「White Mountaineering 2023-24AW」

「コロナによって止まってしまった3年分時計の針を戻しに来た。しかしこの3年間により自分のライフバランスが変わり東京と軽井沢、または札幌を行き来しながら自分のクリエイティブを考えてきた。ショーピース的な要素はほぼ無く全て実用性から生まれた洋服を使い構成し、明日にでも着てドライブしたい。そう言う気分でデザインをしている。28歳で始めたブランドも17年目、僕は45歳になり見える景色も変わりつつある。やはりこの場所に戻って来れて良かった。関わってくれた全ての人、ありがとうございました。」

「ショーと音楽の関係はとても重要で、音のイメージでコレクションに対する想像力が変わってくる。僕はずっとオリジナル音源に拘ってきて、今回は@daigoos に依頼し今の気持ちを音にしてもらった。出来上がったルック、イメージボード、会場の雰囲気を共有し素晴らしいショー音楽が出来上がった。ショーの音楽は15分の中で一定のリズムと抑揚、その中にほどよい高揚感と展開を作る、通常の楽曲よりも異なる作り方となる。@d.a.n._official をはじめて聴いた時からいつか一緒にやりたいと熱望していた。今回感謝しています。」

「今回のパリでのショーは自分の実体験を元にデザインをしてきたので、リアリティに重きを置いていましたが、その反面、到底自分では経験できない世界観と言うか、憧れと言うか、石川直樹君と会って彼の冒険の話を聞き、写真を見て気持ちが揺さぶられてきた。
僕が好きな写真家エリオットポーターと石川君の写真から多くのインスピレーションを受けている。今回彼の写真集Manasluを発行する際に、個人的にははじめて発行人となり作品集を作った。パリに持ち込み来場者にも共有し、所謂アウトドアと言う言葉と表層の流行とは異なる世界観を作りたかった。今僕が目指しているのは、日常生活をベースとし、自然を感じる事が出来る環境で仕立の良い洋服と気品を兼ね備えたデザインを作り自分が見てみたい世界に一歩足を踏み出す為の空気を作りたいんだと思っている。もはや衣服だけでは意味がない。石川君の活動には今後も注目していきたいと思います。」

デザイナー相澤陽介さんInstagram投稿から転載

 

先にパリで行われたショーの後、デザイナー相澤さんがインスタグラムに残されたコメントを転載させていただきました。

 

コレクションに臨んだ思い、ショーに重要な音作り、そして自らがパブリッシャー(発行人)となってリデザインした写真家 石川直樹さんの写真集と石川さんとの語らいから気持ちを揺さぶられた話。

クリエイティブの最前線に挑み続ける御仁の思考過程を発信から辿り、畏敬の念と言うに感覚に近しい凄みを覚える。

 

相澤さん、有り難きこと、何かにつけてお声をかけてくださったり、軽井沢アトリエ道中にお店を覗いてくださったり、気さくなお人柄を垣間見させていただいているけれども。

”背負って戦い続けている姿”の内には、自らが挑む道標を高い次元で常に燃やされている。

 

様々な要素からディフェンシブな道標になりがちな私の脳内の、消えかかったオフェンシブな気概に火をつけてくれる。

すごい方です。

 

「もはや衣服だけでは意味がない。」

自らの洋服ブランドを継続し、海外メゾンブランドのデザイナーを努め、サッカーJ1チームのヴィジュアル全てをプロデュースし、家具とコラボレーションし、家を作り、それ以外にも様々なデザインを手掛けるデザイナー相澤さん。

 

自然に挑む石川直樹さんは冒険写真家であり、デザイン世界で千変万化、幾多の山に挑戦する相澤さんは冒険デザイナー、お二人とも冒険家であり表現者だ。

「世界ランカーお二人の語らい」、想像しただけで私など気圧されます。

 

写真は、私が所持している水色装丁の初版「Manaslu」。

相澤さんが発行人となったベージュ装丁の新たな「Manaslu」が気になります、来週の展示会で見られるかなぁ〜