展示会放浪記 2024.7.10|「KANEMASA PHIL.」と「山内」
2024.07.16
矢口です。
展示会放浪記 2024.7.10|「KANEMASA PHIL.」と「山内」。
先日までの3連休で、メンズのショートパンツが完売した。
難易度高めの数型はセールでご案内したのですが、ほとんどをプロパー販売し続け、それでもお探しくださりご購入いただきました。
私がお店を始めた20年前は男子のショートパンツを男女ともに敬遠するニュアンスが漂っておりましたが、猛暑の夏繰り返す近年、完全にメンズのショートパンツ夏スタイルは市民権を得た。
この時期、メーカーさまも完全にショートパンツの在庫は完売、追加はできず、お陰で私自身用のショートパンツを買いそびれた2024年の夏となる。
そうは言っても、ショートパンツならなんでも良いって訳ではない。
来年夏シーズンも、当店スタイルに馴染むショートパンツをしっかりとセレクトして参ります。
さて、展示会放浪記。
国内外のハイメゾンに世界レベル最上級の⽣地を継続的に提供しているファクトリーが母体となりコレクションを展開する「KANEMASA PHIL.」は、シャツとTシャツ、そしてショートパンツが抜群に良い。
遊び心あるデザインとは無縁のブランドですが、生地の良さから来るすこぶる快適な着心地と、色柄とシルエットの良さから来る雰囲気の高さが抜群に私の気持ちを満たしてくれる。
来春夏シーズンのラインナップにもご期待いただきたい。
名古屋市にアトリエを構え、デザイナー山内さんが手がける「山内」の展示会に伺いました。
『日本人であるということ。「山内」の服は、全て国内産の素材を使い、全て日本人の手によって作られています。私は日本人ですから、日本のもの作りを基盤に服を作りたいと思っています。しかし、世界のグローバル化が進むにつれ、服作りの現場がなくなってきているのが、日本の現状です。そもそも技術や伝統は意識的に続けようとしなければ終わってしまうと思う。いかに効率よくお金を稼ぐという事が、今の流れであるならば、もの作りや伝統なんて物は簡単になくなってしまう。すぐに結果を求めるあまり、現場を振り回していれば、技術も製品の質も向上しない。よいもの作りには、お互いの人間関係を深めていく時間がどうしても必要です。そうしてお互いを理解して、日本の技術、日本人の感性で作ったものは、必ず伝わるはずです。日本には素晴らしい技術を持った工場さん、日本人の細やかな気遣いやセンスを持った職人さんが、少なくはなってきていますが、まだまだいらっしゃいます。そうした方達と残るもの作りをしていれば、日本の服作りの現場価値が高まり、もっともっと必要とされるはずです。国境を越えた考え方をするよりも、日本に回帰して、足並み、気持ちのベクトルを揃えることにより、美しいもの作りが出来るのではないかと思います。」(山内公式サイトより転載)』
デザイナー山内さんの物作りへのお想いは上記の表れ、そして仕立てられた服にその想い違い無し、一つ一つの服に存在感を纏っている、身の引き締まる思いで拝見した。
しかし、デザイナー山内さんもスタッフの倉員さんも柔らかく穏やかで角を感じないお人柄、不思議なギャップに心を持っていかれた。
17年以上のご自身ブランドのキャリアを持つ私と同年代のデザイナー山内さん、アトリエを東京に置かず、ネットでの情報発信も無い時代、ブランド立ち上げからずっと全国様々なお店に足を伸ばし自身の服作りを紹介されてきた経緯にある。
そして、今に至る一朝一夕とは真逆の積み重ねが、山内さんの服作りに現れ、お人柄に現れていると私は感じました。
「山内」の服は確かな理由を持って生まれた服、故に高額、伺う際は初めましての拝見、デザイナー山内さんとご挨拶をと思っておりましたが、山内さんの魅力にちょっと男やられしました。
私としては一気加勢に取り組むのではなく、時間をかけて当店でその世界観を広げられる様、出来るところから店頭のお客様にご覧いただける様試みる腹づもりです。
さて、明日も東京展示会出張へ向かいます、「ATON」、「White Mountaineering」、「Blanc YM」、「UNDECORATED」と幾つか。
楽しみな出張です。