JOURNAL

天邪鬼なオルタナティヴ

2024.10.06

 

 

 

 

 

 

 

矢口です。

 

英国のロックバンドレディオヘッドの楽曲「Creep(クリープ)」、初のスタジオ・アルバム「パブロ・ハニー」から先行シングルとしてリリース、出世作となる。

素敵な女性との出会いでの男子臆病な気持ちを綴った女々しさたっぷりの曲、ニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」や、ベックの「ルーザー」などと共に、しばしばオルタナティヴ・ロックムーブメントにおける代表曲として挙げられている。

 

レディオヘッドの演奏は言わずもがな好きで定期的に聴く。

その上で多くの歌い手がカバーしているこの曲、Daniela Andradeさんの添付動画のカバーはゆったり静寂で本家と同じ頻度で聴きたくなります。

 

さて、オルタナティヴ・ロックのオルタナティヴ(Alternative)とは、「もうひとつの選択、代わりとなる、代替手段」という意味の英語の形容詞。

オルタナ・ロックは、大手レコード会社主導の商業主義的な産業ロックやポピュラー音楽とは一線を画し、アンダーグラウンドの精神を持つロックのジャンルであり、ドメジャーな在り方へのアンチテーゼ。

 

洋服の世界にも、商業主義的な要素は絶え間なく出現する。

昭和から平成、令和に進むにつれ、一本調子明確な流行傾向は薄れてきて、”好き”も多分化・多様化している。

 

この現象は私にとって好印象。

”あのアイテムを仕入れれば売り上げが作れる!”なんて洋服産業はつまらない、個々の表現がそれぞれ尊重される時代だからこそのやり甲斐。

 

でも冬のこと、多くはアウターに関してまだその流れが踏襲されている一面はある。

MONCLERが流行ったり、CANADA GOOSEが流行ったり、THE NORTH FACEが流行ったり、近年はBarbourを取り上げるメディアも多い。

 

それぞれのブランドには歴史があり、作りの確かさもあり、プロダクトに普遍的価値はある。

けれど、そこに商業主義的力が加わって、多くの方の消費動向を瞬間風速で左右する”現象”となってしまう。

 

”あの時アレが流行って買ったよね!”って思い出となる特典はあるけれど、その流行に乗ったアイテムは1・2年後にはお蔵入りになる事しばしば。

この現象に辟易し、私としては避ける思考になる。

 

天邪鬼なオルタナティヴ。

多くの方が欲し望むものを揃えないって選択は賢くはない、けれど性分、瑣末な拘りをお許しください^^