JOURNAL

意匠

2024.11.29

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢口です。

 

意匠(いしょう)。

1.工夫(くふう)をめぐらすこと。趣向。「―を凝らす」。
2.(美術・工芸品などで)物品の外観を美しくするため、その形・色・模様・配置などについて、新しい工夫を凝らすこと。その装飾的考案。デザイン。

 

先日朝、日頃使っている通勤路が工事通行止めにて、旧開智学校方面の道に迂回を余儀なくされた。

11月頭のこと、旧開智学校の長期間改修工事が終わったと言うインフォメーションを目にしていたので、序でと思い国宝を見学した。

 

旧開智学校

明治9年に完成した旧開智学校は地元の大工棟梁立石清重が設計した学校建築で擬洋風建築の代表。文明開化の時代を象徴する洋風とも和風ともいえない不思議な建築は「擬洋風建築」と呼ばれています。注目すべきは正面の車寄せ、この一点に擬洋風が凝縮されています。八角の太鼓楼と寺っぽいアーチの窓、青竜の上に雲がわきその上に二人のエンジェルが「開智学校」の旗を掲げています。文明開化時代の日本一の小学校「擬洋風建築」を見学して見てください。1961年から国の重要文化財として指定されていますが、2019年に国宝に指定されました。

 

龍や天使、波や雲、植物の意匠。

火灯窓・花頭窓やステンドグラス。

 

古今東西の様式美を詰め込んだ学校建築。

過剰な意匠はわざとらしさも孕みますが、縁取り的ディテールはシンプルモダンな空間に味付けを加えるアクセントになりそう。

 

添付動画は、写真家のホンマタカシさんが映画監督として捉えたドキュメンタリー映画「建築と時間と妹島和世」予告編。

西沢立衛との建築ユニット「SANAA」として、石川県の金沢21世紀美術館やフランスのルーヴル美術館ランス別館などを手掛け、「建築界のノーベル賞」と称されるプリツカー賞などを受賞した建築家・妹島和世(せじま かずよ)さんを設計の大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎を建築するまでをおよそ3年半にわたって記録した映画。

 

妹島和世(せじま かずよ)さんの流線型ミニマルデザインと旧開智学校とは、パッと思いつき”白い学びの場”くらいの共通点かもしれませんが、新旧建築家渾身の学びの場建築には、それ以上の共通点もあるのかもしれません。

大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎、要チェックです!