JOURNAL

憧れとの出逢い

2025.03.14

 

 

 

 

 

矢口です。

 

先の出張の際に立ち寄ったヴィンテージショップ。

Berndt Friberg (ベルント・フリーベリ)の花器がポツンと置かれていた・・・

 

料理に造詣が深いわけでもない私に、陶器作品の世界に”飾る”と言う角度から興味を持たせてくれたのがBerndt Friberg (ベルント・フリーベリ・1899~1981年)

一時ほどの高騰価格からは徐々に落ち着きをみせているとは言えヴィンテージである彼の作品は高額、まだ手の届いた10年以上前、その時点でまだ手の届いたボウルを数個所有しているにとどまる、私を陶芸美世界に導いてくれた作家作品。

 

より高度な技術を要するのだろう、花器(フラワーベース)に至ってはとても手の出せる価格ではなく、羨望の永久欠番ともなろう存在として君臨し続ける。

日本屈指、ベルント・フリーベリ作品を扱われているギャラリー北欧器さんのサイトを眺めては、北欧器さんが一つ一つ美しく撮られた写真を推しアイドルを眺めるが如く、うっとりねっとりと拝見するとどまる幾数年。

 

・・・ポツンと置かれていた花器は、フリーベ作品の定番カラーであるドライフラワーが似合うであろう落ち着いた薄茶釉薬。

ぽってりとした胴体部からしっかりとくびれた首部、そして水平に広がる口部、侘びさ漂う釉薬とリズミカルなフォルムは私好きな部類。

 

「手に取ってみていいですか!?」っと伝え、底を見る。

彼の作品は、底部にフリーベリ刻署名と制作年度を彫った刻印、そしてグスタフスベリ・スタジオの手作業で作られた作品を表す手の刻印がある。

 

そしたら、にわかに信じられない程のクリティカルなセール価格が張られていて、おまけに私のイニシャルであるY(1954年)年代の刻印。

「まさか!」と驚きながらも、稀に贋作もあると聞いていますので私が経験した限りの知識で作品をチェック・・・お店様も信頼のおける・・・私的本物認定。

 

憧れとの出逢いは突然に。

 

釉薬色合い、フォルム、大きさの三拍子揃ったど真ん中、その上この機を逃したらこの価格では二度と出会えないであろうと言う気持ち。

さらには私のイニシャルであるY年代の刻印に運命を感じ、長年温めてきた想いだけに突然の出逢いではあったけれども私の決断も早い、宝物を抱き抱えて帰りの途に着いた。

 

気分ホクホクの私、春繁忙期へ気持ち高く頑張れる。

彼にはこれから、お店を飾るアートピースとして密やかに存在していただきます。