矢口です。
梅雨の晴れ間、松本・安曇野、昨日と今日は夏の青空が広がる。
北アルプスの峰の雪は溶け、裾野に広がる真っ白な雲も夏のそれを感じさせ、夏山の様子を見せてくれた。
夏山登山の季節。
やっぱりこの景色を見てしまうと、日帰りでは身体がしんどいって分かっていても北アルプスに登りたくなりますね。
さて、標題のトーマス・マイヤーはファッションデザイナー。
イタリアの高級ブランド「トーマスマイヤー」。2001年からトーマス・マイヤーがデザイナーを務める。ドイツ生まれのオーストリア国籍保持者であり、イタリアとドイツ、両国の文化を汲みながら成長したトーマス マイヤーは、パリクチュール協会付属モード学校を卒業。「ソニア・リキエル」に勤務した後、「エルメス」に9年間在籍し、レディース服やアクセサリー、レザーアイテムに携わった実績が認められ、ブランドデザイナーに抜擢。その後、ボッテガ ヴェネタ 』のクリエイティブデザイナーに就任。またそれと並行し1997 年に自身の名を冠した「トーマスマイヤー」を米国でスタート。2001年から2018年まで「ボッテガ ヴェネタ」のクリエイティブデザイナーも務めた。
先日、インスタのWWDJPの投稿に上記写真のものがあった。
時折り投稿される著名なファッションデザイナーの名言投稿であるが、上述の言葉から下述の解説に読み進めるうちにハッとさせられた気持ちと共に熱いものが身体を走る事を感じた私。
それは自分の頭の中におぼろげに漂っていた思いが文章化され、はっきりとした存在として表れていたからに違いない。
ブランドに関しても、お店に関してもロゴは力を持っている非常に大切なシンボルであると私は理解しております。
また、プロダクトにそのロゴがあると言うことはユーザーにとってある種の保障にも似た安心感にも通じるもの。
しかし、私の価値観として、こと洋服に関してはロゴを見せびらかす必要は全くないと考えていて、私のバイイングでも大切にしている感覚であります。
だから、(服にさり気無く入るロゴは許容する事も多々ありますが)これ見よがしにブランド名があるブランドや服のセレクトは致しません。
改めて断っておきますが”ファッションは自由”、ロゴのある服に惹かれるのも、主張の光る服に惹かれるのもそれぞれの嗜好性&表現手段として正解であります、上記の思いはあくまで私の嗜好性の中での正解です。
実際、私はトーマス・マイヤー氏の洋服のデザインを詳しく理解していない。
どちらかと言うと下記に添付した2つの動画の様に日本の建築や美術をこよなく愛する、文化的側面に意識のあるビックメゾンをディレクションする最前線のファッションデザイナーだと言う感覚で、そこに共感し、素敵な御仁だと思っていたくらい。
その彼がこの様な発想を持ってファッションに向き合っていたのだと思いより親近感が湧いた次第です。
最後に、以下の発想も私の偏った見解ですのでお許しいただきたい。
年齢としてのファッションの変遷の中で、10代後半や20代前半の時代はまだ自分が何者かも分からない分、多くの方が知っていて良いという情報が広がっているブランドのパワーや、はたまたデザインの力を頼って自らの存在感を表現するファッションの楽しみ方がある。
しかし、歳を重ね自分の在り方が自分の中で確立してくるに連れ見た目のインパクトに頼ることなく服装はシンプルになり、でも雰囲気の高さを纏うようになてくるものだと思っております、そんなスタイルの大人の皆さまに素敵さを覚える。
(歳を重ねても遊び心のあるファッションを楽しまれる方も素敵です、私もシンプルなスタイルの中にさり気なくひと遊びある位のスタイリングが好き、決して私の持つ感覚が全てを言い当てた言葉ではない事を付け加えさせていただきます。)
だから、マイヤー氏が自分の服を着てもらいたい方のイメージを表した最後のセンテンス、「クオリティを重視し、自分の個性と欲しいものをきちんと理解している人」との言葉に大きくうなずきながら文字に目を通した。
とにもかくにも自分の頭の中におぼろげに漂っていた思いが文章化され、はっきりとした存在として表れていたマイヤーの名言に心掴まれた私でした。