子供番組は親へのアプローチ
2019.12.11 09:39 writer yaguchi矢口です。
連日の快晴、早朝から後立山連峰がくっきりと拝める。
まだ真っ暗な朝6:00。
徐々に明るさが広がって静かに山の輪郭が現れる。
そして、山に日が当たる前の地球影=ビーナスベルトが山の後の大気を薄っすらピンクに染め、その後山に日が当たる。
大気が冷え切り、雪を纏った山の立体感。
冬の朝は刻一刻と美しく景色が色を変えるドラマチックな夜明けの時間に目が離せない。
さて、松本市ご出身のデザイナー、アートディレクター、コラージュ作家、映像作家、清水 貴栄さんがいらっしゃる。
アートディレクター / 映像作家 / コラージュ作家
1987年長野県松本市生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、DRAWING AND MANUALを経て、独立。教育番組のパッケージデザインや、アーティストのミュージックビデオ・舞台演出、大手企業のTVCMからコンセプトムービーまで、デザイナー視点ならではの映像演出と、独特な色彩感覚を活かしたアートディレクションで作品を作り続けている。また、コラージュ作家としてオリジナル作品を発表し個展を開催、ワークショップを日本各地で開催している。
受賞歴
2016年 プリ・ジュネス2016
11〜15歳ノンフィクション部門 国際子ども審査員賞
2018年 プリ・ジュネス2018
11〜15歳ノンフィクション部門 3rd place
2019年 KIDS DESIGN AWARD
キッズデザイン賞
2019年 JAPAN PRIZE 2019
幼児向け部門賞 優秀賞
清水さんは、NHK朝ドラの「ひよっこ」ポスターや「なつぞら」のポスター、身近ですと松本パルコの35周年ポスターなど手掛けられ、またEテレ=NHK教育の多くの番組のアートディレクションを務められていらっしゃる気鋭のデザイナー、でもその作品のどれもが柔らかく、人なつっこく、センスと言うのか?お人柄が現れているように思います。
そんな清水さんが所属会社のサイト内でNHK青少年・教育番組部プロデューサーの佐藤正和さんと対談されていた記事がありましたので拝読させていただきました。
佐藤正和さん、NHK青少年・教育番組部プロデューサーは、「ピタゴラスイッチ」「シャキーン!」「デザインあ」「ノージーのひらめき工房」「テイクテック」「JAPANGLE」「Q~こどものための哲学」「u&i」と言った新世代切り口の番組を作られたり、2020応援ソングプロジェクト「パプリカ」を仕掛けられたりと、私も含めきっと多くのお子さんを持たれる親御さんが近年面白い番組だなぁ~と感じていたもの全てに関わってこられた方。
そんな先入観をもって読み進めたお二人の対談”「教育」と「デザイン」”は中々読み応えのある対談でした。
こども番組をつくっていてビジュアルを決める上で、子供に届けるという意味で気をつけていることってありますか?
佐藤「気にしてないです」
清水「ははははは」
佐藤「いやむしろ、大人に観てもらうためにパッケージ作ってます。こども番組だからこそ、チャンネル権が親にあるので、親にいいと思ってもらえるビジュアルというのは意識しています。こどものことだけを考えていたら多分こういうビジュアルにはなってないんですよね。でも多分そういうデザインは大人は観ないんです。というところで、番組のパッケージは大人が観て、素敵な番組だね、何観てんの?っていう。子供番組というジャンルの中にそれがあった時に子供番組っぽくないというか。それはデザインあをやった時にすごく実感して。「うちの子デザインあ、みてます」みたいな。デザインあを観てる子供の後ろ姿を撮ってSNSにあげたり、暗に、うちの子感度いいんです、みたいな」
清水「ははははははははは。なるほど(笑)」
その一説に上記添付の文章があった。
要約すると「子供番組だけれども、意識しているのは親へのアプローチ」、ターゲットとターゲットのその先にある存在と言う感覚。
他にも興味深い会話のセンテンスはありましたが、私個人としては”ターゲットのその先にある存在、景色、行動、楽しみを意識したマーケティング”と言う部分が、自分の中の意識で最近抜けかけていた大切な感覚を再認識させていただいた一説でした。