深呼吸
2020.10.30 09:33 writer yaguchi矢口です。
「深呼吸」
1983年宮崎県生まれ。
高校卒業と同時に大阪へ。13年間アルバイトをしながら作家活動ののち、2015年より関東へ拠点を移し画家として精力的に展示と滞在制作を行う。
深呼吸という大きな絵をかきました。深呼吸をして生きる源をたくさん吸い込む。それは体の隅々まで届けられます。体の隅々まで届けて血液がまた心臓に戻ってくるまで合わせて30秒。一人の血管の長さは地球2周半ですから、その距離にある全ての細胞にエネルギーを与えてる。全ての細胞に生きなさいと呼びかけ奮い立たせる。生き返らせる、いい気持ちにする。想像できない事が常に全ての人に行われている。源の取り込みをしながらいい気持ちや、愛おしい気持ちや、歌や美しい景色を一緒に取り込めたら。それを脈輪の中の配達人に託せたら。光みたいに巡って内側を照らすことができたら、行方不明の生きられる喜びが手を挙げて向かってくるかもなんておもいました。そんなつもりで今回は絵をかきました(2周半分というイメージは抱きしめてもう一回抱きしめて笑うっていうかんじで)。
新しい時代の変化に戸惑いながらも適応しようとしていく私たち。ウイルスはコントロールできずとも、人の恐怖や負の感情の連鎖は自分自身が阻むことができます。私たち一人一人が、気持ちよく日々を過ごして、美しいものや小さな幸せを連鎖できたら、きっと世の中の複雑に絡み合った糸が少しずつ解れていくはず。今回、そうした思いから、大岡さんに10mもの大作を描きおろしてもらいました。私たちはこの未曾有の事態におかれ、人間も自然のごく一部である事実を改めて突きつけられました。その事実に争わず、この自然の巡りに身を委ね、私たちの周りにあるたくさんの美しい色、光、風、気を細胞いっぱいに取り込んで、本来の私たちに立ち戻ること。そして私たちが生みだすことのできるポジティブなエネルギーに換えて、他者を周りの空気を変えていくこと。そうした気持ち良さの循環を、この「深呼吸」という絵に込めました。IBEも4周年を迎え、美しいものや新しい体験をお届けすることを通じて、気持ち良い循環をこれまで以上にみなさまに提供できたらと、心新たにスタートいたします。
こちらはアート、デザイン、クラフト、ファッション、作家や職人のハンドメイドの作品を扱うオンラインショップ「IBE」さんで購入したポスター(こばやし画材さんで額装していただいた)。
「IBE」さん4周年の機にアーティスト大岡弘晃さんに依頼され書き下ろして頂いた作品をポスターにしたもの。
どなたかの様などと形容するとアーティストさんに失礼になるかもしれませんが、色彩の美しさと踊る様な手書き文字のバランスの見事さに、20世紀を代表するアメリカの巨匠「Cy Twombly|サイ・トゥオンブリー」の作品の様な美しさを感じ手を伸ばした。
実は、「IBE」オーナーイベさんとは陶芸家竹村良訓さんを通じてご縁をいただいている御仁、ではございますが知人のお店のお祝いと言う感覚以上に純粋に企画と作品の見事さに惹かれて今手元にある次第です。
オーナーイベさんの総合的なセンス、作家さんの発掘、お取り組み、見せ方、企画力の素晴らしさをいつも感じ、自分の感覚に置き換えて考えさせていただいている私。
更にビジネス的に言うのならば、ここからは私勝手の妄想でございますが、例えば今回の周年企画の様に、費用をかけて書いてもらった作品をポスターにして販売ししっかり経費をペイしながらも、購入したお客さまも嬉しいという、作家さんも、お店も、お客さまも、B to B to C、皆嬉しい思いが循環する流れを自然とやってのけているところ、これは今回の事ばかりでなく 「IBE」の4年間ずっと一貫して行われている事、それが決して独りよがりな押し付けではなくて、ショップをご覧になられているお客様がイベさんの企画を楽しみながら支持されている、そんなお顔を毎回サイトを拝見し私は思い浮かべております。
とても素敵なお店さまです。
「深呼吸」。
日々どこかでと立ち止まり深く深呼吸、気持ちを整え、今日もまたちょっとだけ自分の思いの成長に丁寧に取り組んで行こうじゃないか。
前向きに考える自問自答、漠然とした”自分の思い”、それがいつしかしっかりとした形として成形されるかもしれない。
人の何もかもは一足飛びに叶わない、年月を重ねて、日々のちょっとだけの成長させたい思いからの行いがいつしか形になるものだろう。
イベさんの4周年での思いを拝見し、私も根幹に大切にしているこの感覚を深呼吸をしながら明確に再確認できた気持ちになれました。
「IBE」さん、開業4周年おめでとうございます。